蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

読書

『躯体上の翼』

昨年の『ニルヤの島』(柴田勝家)に引き続き、今度は『躯体上の翼』(結城充考)を無くした。 前回はソラシティのトイレだったが、今回は山手線終電。神田から乗車して、新橋で降りるつもりだった。クライマックスに差し掛かった物語が、睡眠不足と酔をいな…

『夜桜四重奏』8巻特装版

よざカル8巻、特製のCDがセットになった特装版が届きました。パッケージがまるでDVDの様です。 けっこうボリュームがあります 中にはボール紙のスペーサーが入っていて二段構造になってます すべて並べてみました このパッケージ、なかなか優れものです。今…

Kindle + Blog

おなじみ中俣さんの海難記(http://d.hatena.ne.jp/solar/)より キンドルで読むために、いろんな本のサンプル(ポーからマルクスまで)をダウンロードして読んでみた結果、最終的に落ち着いたのは、「キンドルで英文ブログを読む」という利用法だ。何しろ、…

探偵小説のためのインヴェンション 「金剋木」(古野まほろ/講談社ノベルス)

★★★半 快調にリリースされるもう一つのまほろワールド「探偵小説のための〜」シリーズ4作目。前作で暴走気味だったコモと保丞の過剰なトークはかなり抑えられ、割合シリアスに本作は進行。様々な過去の作品へのオマージュ、というかパスティーシュ? とでも…

Remix / Lawrence Lessig

読むべし! と今一番強く感じる本なのだが、未邦訳で原文で読むしかない。PDFはダウンロードしたので、あとは頑張るのみ。版元のBloomsbury Academicは学術書を中心としたオンライン配信を行う出版社。紙の本も売るが、PDFで無料配信も行っている。ああ、僕…

北へ。(NOCCHI/メディアファクトリー)

既に絶版になっているが、Amazon経由で古書を購入。しばらく前に着いていたのだけど、掲載を忘れていました。 封筒で到着中はエアキャップで梱包されていたご開帳〜。いいねぇというわけで堪能しています。大槍さんの初期の作品になる訳ですが、うん、いいな…

とある科学の超電磁砲(鎌池和馬, 冬川基/アスキー・メディアワークス)

スピンオフなのに本編より面白いと好評なレールガンシリーズ、2巻まだかなーと思っていたら3巻まで出ていた。ということで続けて読了。 黒子の妄想っぷりとレールガンの走りっぷりがいいですね。はやり?の百合テイストの混ぜ具合が非常に旨いなぁと思ってま…

秋季限定栗きんとん事件(上)(米澤穂信/東京創元社)

読み始めたらば一気に読んでしまうから、上下別の刊行は正直辛い! 季節限定シリーズは新規読者より継続読者の方が多いのではないかと思われるし、同時刊行にしてほしかった! という訳で、下巻が出たらまとめて買う事にします。 秋期限定栗きんとん事件〈上…

ダブリナーズ(ジェイムス・ジョイス、柳瀬尚紀訳/新潮文庫)

島森書店にて本日入手。同業なので気になるのだが、刷りが酷い。濃度差がありすぎる。訳は非常に気になっていて、読むのが楽しみ。

もと子先生の恋人(田中ユタカ/白泉社)

★★★★ 田中ユタカ久々の新刊。『愛人アイレン』が愛蔵版になったことには気付いていて、普通版を持っているにもかかわらず買い足すべきかどうか悩んでいたらば、なんと新刊が出ていた! というわけでこれはもう当然購入しました。食後、風呂でのんびり半分読…

春の修羅

修羅とか書くと、シュラシュシュシュ〜と金比羅な気分になるのだが。以下勢いでいろいろバックを固めずに書いているので思い込みや思い込みや思い込みが多く事実関係は保証しません。その辺飛ばして、あぁこの人、鬱なのね、って読んで下されば幸い。 風呂で…

読む音楽(DJ Technorch)

C75の収穫物の中で最大最高の収穫。「純粋音楽」(いわゆる楽曲そのもの)に捕われず、「読む音楽」(音楽コンテンツを含む周辺コンテンツの集合。パッケージや楽曲の背景となる物語、世界等々まで)を含めて音楽を楽しむ事を説く。DJ Technorch自身のサイト…

回帰祭(小林めぐみ/早川文庫)

★★★半 疲弊した地球からの脱出船の一隻が、とある惑星に不時着して300年。男女比9対1という偏った出生率と、増える人口への対応の為もあり、毎年一度、故郷地球へと『回帰』する宇宙船が建造されては送り出されていた。回帰を間近に控えたアツ、ライカ、ヒマ…

とらドラ!(1〜9巻、竹宮ゆゆこ/電撃文庫)

ラノベにはまる36歳妻子持ち男性会社員(しかも管理職)、を思い浮かべて頂きたい。キモッと思ったあなた、残念です。でも、面白いものは面白いのだ。電車の中で読むには、少々その、なんだ、挿絵が不適切だし、俺にやけそうになるし、それを我慢している顔…

シュレディンガーのチョコパフェ(山本弘/早川書房)

★★★半 ※毎度のことながらネタばれあるよ。 表題作、『メデューサの呪文』『7%のテンムー』が好きだった。特に表題作のラストの世界のひっくり返し方は明るいベアとでもいうべき急展開で◎。オタクガジェット盛り沢山なのも楽しい。ハッピーエンドってしばし間…

回螺(安倍吉俊/ワニマガジン社)

安倍吉俊のダークな想像力が展開する回螺。やっぱり絵が凄いや。しかしこの世界の構造、僕は板橋しゅうほうのアイ・シティを思い出しました。これもまた懐かしい。そういえば板橋しゅうほうの作品には凱羅というのもありました。変なリンクだ。 回螺 (WANI M…

キリン(1〜4巻)(東本昌平/少年画報社)

★★★★★ Point of No Return編読了。「キリン」の存在は知っていて、ところどころ立ち読んでいたりしたのだが、通して読んだのは初めて。これほど熱いマンガだったとは! 38歳になるバツイチの不完全燃焼男が、カタナで長年のライヴァルである「でか尻女」こと…

探偵小説のためのエチュード「水剋火」(古野まほろ/講談社ノベルス)

★★★ これまでの三部作にラノベ風味を大いに加えて、まるで西尾維新がとりついたようなキャラ立て。世界としては頸草館マーダーケースと同世界。違和感はないけど、語り口の軽さになんども西尾〜西尾〜と思ったことよ。探偵小説のためのエチュード 「水剋火」…

犬はどこだ(米澤穂信/創元推理文庫)

★★★ ラストが苦い、という前情報はあったのだが、なるほど。米澤らしいといえばらしいエンディング。「限定」シリーズが受けちゃったから目立たないのかもしれないけど、米澤穂信の小説は基本的にちょっと悪意があるっていうか、苦いよなぁ。 # 実は読了後一…

“文学少女”と死にたがりの道化(野村美月/ファミ通文庫)

★★半 中学在学中に美少女作家として図らずも一世を風靡してしまった上、恋人を亡くし深く心に傷を負った主人公心葉(このは・♂)、上等の小説を文字通り食して生きている“文学少女”遠子。たった二人の文芸部を中心とした学園ミステリシリーズ第一弾。同級生…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸(入間人間/電撃文庫)

★★半 維新の次世代が出てきているんだなぁとしみじみ感じたが、リミックスという感をぬぐえず。ヤンデレという語がどうやら対応するらしいことを知って、なるほどこれがそうかと膝を打つ。設定がえぐくて、子供持ちにはちょっとキツイ内容だった。子供を殺そ…

夢のアトサキ(やまむらはじめ/少年画報社)

★★★ これはよかった。こういう日常を書いた作品が好き。 夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)作者: やまむらはじめ出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2007/11/28メディア: コミック購入: 4人 クリック: 29回この商品を含むブログ (46件) を見る

キラレ×キラレ(森博嗣/講談社ノベルス)

★★★ だんだん短編のような小説を書くようになってきたな、というイメージ。いっそ短編にしてしまったほうがシャープでよいようにも思う。最近氏の短編読んでないな。本書も面白いんだけど、ちょっともったいない。 キラレ×キラレ (講談社ノベルス)作者: 森博…

死都日本(石黒 耀/講談社ノベルス)

★★★★ 面白い! 今年読んだノベルスの中でも群を抜いて面白かった。九州南部から北部に続いて眠る火山帯。それが活性化した場合、九州は、そして日本はどうなるかというシミュレーション小説。サスペンスというような心理的な怖さは実はあまりなく、その辺の…

インシテミル(米澤穂信/文藝春秋社)

★★★ 『遠まわりする雛』よりも先に読んでいたのだが、記録を忘れていた。これまでの著者の各シリーズとは別路線の書き下ろし。西島大介のカバー画が光っている。 妙な求人に引っかかって集まった12人の男女。とある実験ということで、地下の閉鎖環境に軟禁さ…

複製症候群(西澤保彦/講談社文庫)

★★★ 西澤作品にしては終わり方がウェット。この主人公どこかで見たような、と思ったらば、これは『ボトルネック』の主人公に少し似てるんだ。後ろ向きで劣等感に苛まれていて、正しく前を向けない、というか。ただし、本書の主人公はそこをおして進もうとし…

遠まわりする雛(米澤穂信/角川書店)

★★★半 「古典部」シリーズ第四弾は近頃流行りの仮フランス装で刊行された。最近部数を伸ばしているから、こういう工賃のかかる製本ができるのだろう。しかし、内容からして高校生辺りが本来のメインターゲットのはず。ならばやはり文庫本での刊行が正しいの…

サドッホ

Googleでサドッホを検索したら、この日記が二番目に出てきちゃった件。えーっ?

不気味で素朴な囲われた世界(西尾維新/講談社ノベルス)

★★半 今月は完全に古野まほろに喰われているなぁ。病院坂黒猫、通称くろね子さんが再登場したのは嬉しいが、それ以外は説得力なし。なにかキャラクタの造形実験、いや、下書きをしたみたいな作品で、中途半端。それなりに面白くは読んだけど、それ以上のもの…

天帝のめでたまう孤島(古野まほろ/講談社ノベルス)

★★★★半【ネタバレ全開、注意!】これは。 これは。 参りました。 どんでん返しのその向こう、人外の人非人、外道の中の外道、壊れた探偵、我らが主人公古野まほろ@作中が、ここまでの扱い様。シリーズも第三弾、学園モノ、列車モノと来て堂々の孤島の屋敷モ…

海獣の子供(1、2巻)(五十嵐大介/小学館)

★★★★★ 本年最高の2冊。『魔女』でその能力を知っているつもりだったけれど、これだけの物語を、この密度と深さで描き続けられる才能は、ここ十年なりで唯一、最高のものだと思う。作家に例えれば池澤夏樹が近い気がするが、池澤よりももっと呪術の気配が濃く…

今日の早川さん(coco/早川書房)

★★★ これが岩波書店から出ていたらさぞ面白かったろうに、というか、それってすごいじゃん! な一冊。早川から刊行されるのは、当然の流れというか、粋な計らいという感じもしなくもないが、他にとられてなるものかという側面も大きいだろうし...そういう推…

新本格魔法少女りすか3(西尾維新/講談社ノベルス)

★★★ 長らく積ん読状態だったのを救い出してあっという間に消化。2005年中に書かれた短編3本がまとめられている。刊行が本年の春で、いささか時間がかかりすぎだと思うが、どうか。いま、著者は講談社BOXシリーズで手一杯だろうし、この後の完結への4編が書か…

精霊の守り人(上橋菜穂子/新潮文庫)

★★★半 今話題の、というか、今夏話題だった国産ファンタジー。各メディアのほめっぷりが大げさすぎて却って作者に失礼な気がするが、確かに面白く読んだ。主人公が30代の職業女性というのがいい。浮ついておらず、人間的な悩みは十分に持ち、頼りにもなる。…

膚の下(下)(神林長平/ハヤカワ文庫)

★★★★★ 満点の五つ星。『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』に続く火星ものの第三弾。おそらくはこれでシリーズ完結だろう。思えば『あなたの魂に安らぎあれ』から神林を読み始めたので、約20年、読み続けてきたことに。感慨が大きかった。 その時々に読ま…

膚の下(上)(神林長平/早川文庫)

★★★★ 上巻読了。どんどん面白くなってくる。いつにもまして思弁的な内容で面白い。 膚(はだえ)の下〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)作者: 神林長平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/03メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (67件) を見…

ぼくらの 7巻(鬼頭莫宏/IKKI COMICS) 

★★★★ 登場人物紹介をみて物語の進行度合いを実感。もう9人も失われていたのだ。この巻のパイロットは、軍人の娘にしてピアノ弾きの古茂田孝美、ニュースキャスタの娘往住愛子。共に親子の関係に強いスポットが当たる。前者の最期はちょっとベタなくらいに美…

出たとこ勝負のバイク旅・海外編 バイクの島、マン島に首ったけ(小林ゆき/えい文庫)

★★★半 バイクが欲しくなってからいろいろ調べ始め、マン島のレースのことを思い出した。マン島はアイルランドとグレートブリテン島の間に位置する小さな島で、世界最古の民主主義議会を持つ変わった島だ。1907年から今年で101年、ツーリスト・トロフィと銘打…

オートバイ・ライフ(斎藤純/新潮新書)

★★★ 小説家によるメンタルな、そして思索としてのオートバイライフについての考察。実用的な用途を目的にするとあてが外れるが、バイクに乗るという「こと」について興味があれば面白く読めるはずだ。啓蒙書ではないが、思索の本ではあるので、そういうのが…

カボチャの冒険(五十嵐大介/竹書房)

★★★半 今読むべきマンガと、今後読み次がれていくべきマンガっていうのがあると思うのだけど、五十嵐大介のマンガは今後読み次がれていくべきマンガだ。内容に普遍性がある。時節に影響されない強さがある。本作は作者が共に暮らす猫「カボチャ」の、田舎暮…

愛人[AI-REN](1〜5巻)(田中ユタカ/白水社)

★★★★半 白水社のアニマルでの連載終了が2002年。あれから5年経って、単行本で一気読みしたのだけど、よかった。ほんっとうに良かった。作者が連載終了後、一時描けなくなったのも分かる、そのくらい集中した重い仕事だった。4巻から5巻にかけての、圧倒的な…

一角獣の繭(篠田真由美/講談社ノベルス)

★★★ いよいよ物語りもクライマックスに近づいた、ということだが、本当にあと数冊でとりあえずの終止符というか線を引けるのだろうか? 年1冊のペースなので、通常の5割増くらいの量の作品が用意されているのだろうか? というメタな部分が気になる今日この…

ダウン・ツ・ヘヴン(森博嗣/中公文庫)

★★★★ 空中戦の描写が圧巻。読んでいて臨場感が物凄い。飛行機の構造については疎い自分でも、機体が空を飛び回る様がリアルに目の前に描けるのだから、相当なものだ。草薙の物語も三作目にして相当に見えてきて、物語としても読者としてだいぶはまってくると…

東京奥多摩のヒカリ(磯本つよし/少年画報社)

★★★ 奥多摩を舞台としたバイクマンガ。某『逮○○ちゃうぞ』を髣髴とさせるバイクのりの女性駐在さんが主人公だ。駐在さんがドリーム50とかドゥカで激走するバイクを追跡しちゃったりする、相当にありえない設定。ただし、作者のバイクへの情熱というか愛がび…

島泰三『安田講堂1968-1969』(中公新書)を購入、読みながら帰ってきた。 前に書いたこともあるが、学生運動というものがまだピンと来ない。当時のことを書いた本を読むことで、個人的な思いを感じられても、彼らが何を求めていたのかがどうも腑に落ちないの…

天使が開けた密室(谷原秋桜子/創元推理文庫)

★★★ 読後あとがきにてもともと富士見ミステリー文庫収録の作品であったことを知る(『激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室』)。もともとライトノベルだったのね。 主人公倉西美波は16歳の女子高生。5年前に海外で失踪した父親を探すためにアルバ…

朝日ソノラマ店じまい

朝日ソノラマが店じまいをするというニュースをtwitter経由で知る。朝日ソノラマといえばクラッシャー・ジョウ、中学にあがったばかりの頃、友人がこれを読んでいて、自分も追いかけはまったのだった。思えば、それがSF初めである。ダーティーペアシリーズよ…

沈黙のフライバイ(野尻抱介/ハヤカワ文庫)

★★★★ 『太陽の簒奪者』にて自分の中で好評価を得ていた野尻抱介の短編集。いやこれが実に面白かった。なにが良いといって、全編通じて溢れる宇宙への意思である。とにかく宇宙へ行きたい、遠くへ、まだ見ぬ星の世界を見たい、行きたいといった強い意志が一杯…

ゲーム的リアリズムの誕生/(東浩紀・講談社現代新書)

★★★ 前著『動物化するポストモダン』の第2段という位置付けだが、今回はさまざまな作品への批評を載せることでより実際的な批評の展開を見せている。特に付録で収録されている『AIR』評が興味深い。この手の批評は割と好きなのだが、批評対照となったゲーム…

イナイ×イナイ(森博嗣/講談社ノベルス)

★★★ 新シリーズXシリーズの第1冊目。某保呂草氏と見られる椙田氏の事務所で働く2名が一応主人公なのかな? 舞台は東京都内と見られる。話の展開、トリックにも特別に新しいものは見られない(多分大方の読者は犯人や構造をだいたい予測できるはずだ)が、こ…