蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

マルドゥック・スクランブル3部作(冲方 丁/ハヤカワJA文庫)

★★★★★
また出しちゃいました五つ星。文句ありません。文庫本3冊が全然長くない。一気読みです。2巻目の最後に鏡明がいい解説を書いているので、気になる人はまずそれを読むように。中盤から展開されるカジノでの勝負が小説の山。ギャンブルものには興味がなかったつもりなのに、どんどんのめり込んで一山越えるごとに胸に刺さる確かな感動が。名スピナのベル・ウィングが実にいい。
小説の背景となる設定や小道具、小技など、ここ数年で映画やアニメが実現してきた表現が至る所に見えるのですが、1巻の冒頭にあるように、この小説はそれらの遥か前にその表現をものにしていたと言う。不世出のオリジンだったというわけです。
主人公は15歳の元売春婦で、心身ともに傷だらけになりながら捨ててきた自己を取り戻していく過程が描かれるのですが、そうした、血を滴らせながら前進していくものに実に弱くて、たとえば、傷まみれの心臓をビスで止めて動かしているような、ハードかつ繊細な感じに痺れまくりました。
サラマンダーも良かったんですけどね。今年ベストです。

マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮
冲方 丁

おすすめ平均 
近年最高のSF。
静寂なる激闘
これは、少女と銃の物語
追いかけてきます
ギャンブルSFの傑作

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マルドゥック・スクランブル The Second Combustion 燃焼
冲方 丁

おすすめ平均 
謎が徐々に明らかに!そして、最後の戦いに挑みます。
SFってまさにこの感覚!

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マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust 排気
冲方 丁

おすすめ平均 
ブラックジャック・バトルがとにかく圧巻
圧巻の最終巻!!
いよいよ結末へ
カードの戦い

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