★★★半
藤崎慎吾初の短編集。あいかわらず読ませる。そしてラストにしっかりと感動を持ってくる実にうまい小説。「猫の天使」がかわいらしくもしっかりとSFで楽しい。「星窪」のラストは壮大な光景が美しい。マクロなアイディアと僻地とも言える島の老人とが絡み合って結びついていくそのギャップとスケールがいい。こういったことを出来るのはSFならではと思う。設定がハードな、つまり本格的にSFの設定をもってなお、そこに情のある風景を絡められるところが藤崎の才能だと思う。
- 作者: 藤崎慎吾
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
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