蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

父の入院、二日目

昼頃病院着。義理の母が先についており、父は今日、泌尿器科から、脳外科に移ることになったと言う。午前中にCTスキャンを撮り、頭に出血の跡が見つかったとのこと。倒れたのもそのせいではないかということだ。父は一日中寝たりおきたりで、熱も少しあって、身体の中でなにか戦っている感じがする。意識がはっきりしているときはかなり明瞭にしゃべることもできるのだが、全体にぼうっとしていて、記憶も定かでない。特に短期記憶の保存に失敗しているように見える。なんど説明しても、自分がいる病院が分からなくなったりしてしまう。ナースをシスターと間違えたり、だいぶ混乱しているのではないかと思う。夜20時過ぎまで滞在したが、かえろうとすると黙って義母を見つめ、ふくれたような顔をする。よほど心もとないのだろう。小さな子供のように見えた。義母も疲れきっていたが、今日は病院に泊まることにさせてもらった。
今まで、年老いていてもしっかりとしていた父が旧に老けてしまい、物凄くショックに感じている。それも、殴られるような感じではなく、じわじわと浸透するような感じだ。ふとしたときに涙が出そうになる。
頭の出血については、まだ続いているか止まったか判別がつかないらしい。これは明日以降の検査ではっきりしてくるだろう。最悪の場合は手術もありえるようだ。出血が止まってくれることを祈る。いずれにせよ、回復には時間がかかりそうだし、その後のリハビリにも時間を必要としそうだ。今までなかば一人暮らしをしていた父の、義母や僕への身体をはった抗議だったのかもしれないと感じている。
ここの所ハードウェアの故障、仕事の事故と続いてきており、体力的にも少し辛いと思っていたところだったので、なにか必要以上にダウンと言うか、いろいろなことを考えてしまう。父と田舎にでも越して面倒をみていきたくも思う。経済状況からそれは許されないだろうが、今の自分の生活をみて、改めて家族との関係などみると、本当に父不在の家庭を作っているなぁと鬱に感じる。
なにか、自分にとっても節目な出来事なのだろう。結論の出るようなものではないだろうけれど、いろいろと考えてみたいと思っている。
この項、オチなし。