蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

今日の早川さん(coco/早川書房)

★★★
これが岩波書店から出ていたらさぞ面白かったろうに、というか、それってすごいじゃん! な一冊。早川から刊行されるのは、当然の流れというか、粋な計らいという感じもしなくもないが、他にとられてなるものかという側面も大きいだろうし...そういう推測はまぁどうでもいいのだが。
著者cocoさんのはてなでのブログ(のマンガ部分)が人気を呼び単行本化されたわけで、ブログは読んでいたのだけど、こうして一冊にまとまると改めて面白い。書痴という言葉があるけれど、まさに処置なしという訳でございまして、すみませんだじゃれ、好きなんです。しかしここまでSF者は世間から差別というか、むしろ世間から乖離しているものなのだろうか、と思わせる早川さんの駄目っぷりが素敵に面白い。オタクというといまやアキバ系の萌え文化がなにか中心にあるようだが、SF者って要するにオタクだものなぁ。自分の周りを見ても、いまSFを読んでいる知り合いってほとんどいないから、確かに世間におけるSF者のポジションって早川さんのあの世界なのかもしれないな、なんて、ちょっと思っちゃうような変なリアルさが心地よいマンガであって、これはもうぜひ読んでおくべき。
ちなみに絵的にはカンコさんがかわいいと思うぞ。

今日の早川さん

今日の早川さん