★★★
西澤作品にしては終わり方がウェット。この主人公どこかで見たような、と思ったらば、これは『ボトルネック』の主人公に少し似てるんだ。後ろ向きで劣等感に苛まれていて、正しく前を向けない、というか。ただし、本書の主人公はそこをおして進もうとしていくわけで、ラストのいたたまれない努力がいい。相変わらずのめちゃくちゃな舞台設定が光っているが、謎解きというよりは青春小説的な側面のほうが強かったように思う。愉しんで読んだ。
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/06
- メディア: 文庫
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