★★★半
※毎度のことながらネタばれあるよ。
表題作、『メデューサの呪文』『7%のテンムー』が好きだった。特に表題作のラストの世界のひっくり返し方は明るいベアとでもいうべき急展開で◎。オタクガジェット盛り沢山なのも楽しい。ハッピーエンドってしばし間抜けな印象を与えがちだけれど、何かを肯定するのって実はものすごくエネルギーの要る作業。表題作は嫌味にならず読者を楽しませてくれる。『メデューサの呪文』は詩(というか言語)を核としたまぁバカSFに分類されるのかもしれない怪作だが、言葉が世界を変えるという設定が○。どうもこの手の言語SF?に魅かれる傾向がある。『7%のテンムー』は作中に書かれるテンムーがまさに俺じゃん! っていう存在で、空気読めない相手の気持ち分からない実は意識がないのかも?そんな僕でもココロの存在は認めてくれたっていうラストに救われる。
作者自身の解説サイトもあるので、気になる方はそちらもどうぞ。
- 作者: 山本弘
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