蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

☆☆☆☆☆
テアトル新宿にてクールアニメセレクションと題して大人向け? のアニメばかりを上映しています。いろいろと見たい作品はあったのですが、とにかく「見たい」ではなくて「見なければならない」作品だったのが『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』でした。僕がうる星やつらにはまっていたのはそれこそ20年以上前の事ですけれど、うる星やつらは僕のマンガ・アニメ史を通じてワン&オンリー、比較対象が無い最高の作品なのです。自分の人生の一番苦しかった時期をサポートしてくれたマンガであり、アニメでありました。青春ですね。ラムちゃんラムちゃん言っていた自分を振り返れば、それはあまりにも典型的なオタク少年なのですが、まぁ、それはさておき。
僕がうる星やつらを見始め、一気にはまった頃、残念ながら劇場版は第2作までが公開を完了していました。当時我が家にビデオは無く、第1作(『オンリー・ユー』)と第2作である『ビューティフル・ドリーマー』はフィルムブックとドラマ・アルバム(当時はテープ全盛期でした)、そしてサウンド・トラックで入手して読み/聞き込んでいた訳です。
第3作である『リメンバー・マイ・ラブ』が当時は自分のナンバー・ワンだったのですが、だんだんと『ビューティフル・ドリーマー』の株が自分の中で上がっていき、やがてトップに立ちました。構成内容ともに押井守の趣味全開の本作は、いわゆるうる星やつらの世界からは若干はずれる異端作だとは思いますが、めちゃくちゃに「たっていた」作品でした。学園祭前夜という祝祭空間をエンドレスに繰り返すモラトリアムな世界を構築、それを住人が食い破って(もちろん再びエンドレスの日常に着地する訳なので、そういう意味ではメタメタな構造なのだけど)出てくるまでのスピード感、幸福感、オタク的な閉じた喜び等々、まぁ今から見るととにかく「閉じている」モラトリアム空間への批判的な部分が多いのでしょうけど、楽しかった訳です。今でも、あの空間は楽しくて仕方が無い。細部まで、結構リリカルな部分もあって、引き込まれてしまう。
ドラマ・アルバムはテープがのびるほど聴いて、台詞まで覚えてしまっていたのですが、そういう意味で、自分の中では動画を見ていないにもかかわらずかなり動く作品だったのです。それが、今回、ようやく劇場で見るチャンスができたと言う訳。僥倖です。こんなことないと思っていたので、本当に幸せな事でした。月末でなければ、もう一回行くのに...。映画は、映画館で見ないと駄目なのよ。やっぱりあの空間で見るのが一番いい。ということで、夜、仕事を抜け出してみてきました。
冒頭のカモメが舞うシーンから、責任とってね♪まで、後半、劇場のあまりの暖房の過剰な利かせ方にすこし眠かったのだけど、しっかりじっくり往年の夢を確認してきました。そうか、ここでこう動くんだ、とか、目線の動きとか、やっぱり、動くと違いますね。当たり前だけど。興奮覚めやらず帰社して、仕事しながらもいろいろ気になり、今、amazonの欲しいものリストにDVDを放り込んであります。まだ、新品買えるんですよね。来月になったら、ポチろうと思います*1。今度は家でじっくり、ビールでも飲みながら見るんだ。

*1:その後勢いでポチってしまった。