蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

​​鎌倉〜松山、青春18きっぷの旅 2018 ​(1日目)

エクストリームセルフ出張始まる

愛媛県美術館で開催中の、祖父江慎さんディレクション「坊っちゃん展―祖父江慎・梅佳代・浅田政志・三沢厚彦」。お仕事の絡みもあって是非見ておきたい! でも遠い! 世間的には不況ってことになっている折、会社は出してくれない!

と思っていたけれど、調べてみたら青春18きっぷ1枚で地元始発でぎりぎり到達できることが分かり、費用も往復とカプセル2泊でも1万円しないんじゃね?(飲み代除く)と思い立ってしまいました。いい日旅立つのは日本の伝統。

乗り換え10分以内のオペレーションタイトロープな感じではあるけど、いちにちの到達可能限界の一つである松山まで、もと乗り鉄の血も騒ぐし、ちょっとエクストリームセルフ出張、行ってきます。

04:30 起床

​​4時に目覚ましをかけていたのだが、スヌーズしたまま寝こけていた。飛び起きて自転車で駅に向かう。途中、セブンイレブンでチキンカツサンド、缶コーヒー、明治ザ・チョコレートコンフォートビターを買い込む。朝食か、何かになる見込み。

​​04:57 鎌倉始発 東京行き乗車

05:04 大船着

​​少し時間があるのでトイレ。自販機でFrom AQUA 甘夏みかん購入。昨夜の酒のせいかスルスルと飲める水分が欲しい。

​​05:10 大船発 熱海行き乗車

​​茅ヶ崎付近で朝日が昇ってくる。そして国府津あたりで寝落ち。小田原の後の風景が楽しみだったはずが、気がつけば熱海目前に。

06:16 熱海着

​​下車して駅前ファミリーマートで酒、助六寿司、水購入。日本盛の日本酒小容量シリーズ、金属容器のひねるキャップが付いたタイプで非常に良い。

ファミマのすぐ横にあるマクドナルドは開店6時30分とのことで、待機列が。改札の外すぐにある足湯につかりたかったのだけど、残念ながら清掃中でパス。

06:49 熱海発 浜松行き乗車

​​入線の寸前にわらわらとホームに人があふれ、電車は一瞬で満席に。2分遅れで発車。折り返しの電車遅延のためとのこと。

​​沼津直前でおめかしした小学生高学年とみられる女子4名、プール支度をして乗り込んで来る。あらかわいい。

​​少々尿意があり、212系オンリーでの運行かと緊張したが313+212の運行とのことで安心する。

参考: ​​http://tokaido-unyo-shizuoka.com/unyo/2018haru.holidays1.html

​​吉原付近で、ザ・富士山という感じにたなびく雲を身にまとった富士山現る。プレゼンス凄い。

09:26 浜松着、8分遅れ

信号待ちなどで遅れた模様だが、この辺りから風向き怪しくなってくる。区間が長いとこの手のトラブルがあるものか。

09:30 浜松発 豊橋行き乗車

乗り継ぎのため7分遅れでの発車。次の乗り換えは豊橋で、乗り換え間隔は6分。この大垣行きに乗れないのは痛い。さてどうなるか。

10:03 豊橋着

接続対応ありとのことで慌ただしくホーム向かいの新快速に飛び乗る。写真撮り忘れる。

10:05 豊橋発 大垣行き乗車

​​豊橋の着発は正確なところは不明だけれど、接続調整がされて無事大垣へ向かう。ムーンライト一晩分をこれでこなすことになるのか。

周りの風景、地名がもう全く分からない。鈍行はやっぱり面白いな。過去北海道へ青春18きっぷで通っていた頃は、ある辺りからものすごくアウェイ感が出たものだが、東海道線はそれが薄い。何故かな。単に歳をとっただけなのかも。

走り出して30分程度で睡魔に襲われ、ダウン。

11:34 大垣着

​​ ​​かつての大垣行き鈍行、現ムーンライトの終着駅だったりとメジャーなくせに何もないと噂の大垣駅、本当に何もない。駅そばすらない。トイレに寄って乗車。何気に発車時間を過ぎても動かない。「運転士がお客様対応を行なっているため」とのことで7分遅れで発車。全く飽きさせない。米原での接続は3分なのだが、吸収されるのであろうか。

11:47 大垣発 米原行き乗車

12:20 米原発 姫路行き、乗車不能

はい乗れませんでしたー。

接続対応ありませんでしたー。

次の接続は12:50の姫路行き新快速なのだが、松山へは到達できない。行けるところまで行って歩くか、という距離でもないし、ここは京都あたりで泊まって明日朝から向かうか、意地でも進むか。

今夜の宿は12時以降のキャンセルで全額持っていかれるし、プラスいちにち分の青春18きっぷ消費。ならば涙を飲んで新幹線乗った方が安い。

ということでリカバリーを目指す。

お客様へどんな対応をしていたのか、つまらないクレームだったら許せないんだからっ(ハンカチを噛みしめる)。

12:52 米原発 新大阪行き 新幹線ひかり509号乗車

はい、大人力。

そんなものがないから18きっぷ使ってんですけどね。新大阪で元のルートに追いつきます。

わー、新幹線はやーい。

おかげさまで売店にも寄れて、焼き鯖寿司買ってビール買って、ブログ書きながら快適な新幹線の旅を堪能。

13:26 新大阪着

12:20発の新快速が頑張ってる間に、電車待ってビール飲んで日本酒飲んで焼き鯖食ってそれでもまだ10分余裕で新大阪着。金があれば大抵のことはなんとかなるんやで。ないけどな。

13:39 新大阪発 姫路行き新快速乗車

追いついた。

ところで昨夜、書泉グランデで宮澤伊織さんの新刊を発見して持ってきたんだけど、午前中で読み終わってしまった。

いま如何に百合を新しい形で読ませるかということで裏世界シリーズがあったりする氏だけど、こちらはもっとガチに百合色を押し出してきた。

とはいえ氏のことで一筋縄ではいかず、夢の世界で世界を救うという世界設定ゆえの添い寝。すぐ寝ちゃうので、それ以上は無し。あとは裏世界シリーズにも共通する異なる存在をぶち込んできて、全体に軽いノリなのに所々で怪談ノリにひやっとさせられてこの季節向けの商品かと。どうも東京創元社な印象が拭えずにいるのだけど、早川書房さんからの刊行です。是非。

そいねドリーマー

そいねドリーマー

14:47 姫路着

定刻だよ。

当たり前なんだけど、泣ける。姫路駅は駅そば、吉牛、本屋、セブンイレブンなどが揃う充実した駅で、到着が2時間ずれていれば食事をしたのだが、惜しい。

吉牛でうな丼を夕飯に買っておくか悩みつつ、書店冷やかしてトイレに寄って、姫路駅にお別れ。

15:03 姫路発 播州赤穂行き乗車

ギリギリになってしまって電車の写真がない。大阪あたりから睡魔に襲われてひたすら寝ており、まだまだ眠くてぼんやりしている。

車窓の風景が相当のんびりしたものになり、車内の言葉が知らないイントネーションになった。駅名も全くわからない。

15:23 相生着

定刻だよ(涙)。

ホームの向かいに止まっている山陽本線岡山行きに乗り換え。

15:30 相生発 岡山行き乗車

定刻着に涙したのも束の間、空いてるのにドアにカバンの紐を挟まったとかで5分遅れで出発。岡山からはマリンライナー47号に接続11分。なんとかなるか。予約もしているので、ここは外せない。頼む!

さて、一冊読んじゃったので予備に持ってきた再読本、『探偵小説のためのエチュード「水剋火」』(古野まほろ、講談社ノベルス)を引っ張り出した。伊予絡みで選んだぞなぞな本。

探偵小説のためのエチュード 「水剋火」 (講談社ノベルス)

探偵小説のためのエチュード 「水剋火」 (講談社ノベルス)

16:31 岡山着

流石のターミナルで駅がでかい。大きな土産物屋でまずはママカリ寿司と、地ビールを確保。そのままゆるゆると6番線へ。

16:44 岡山発 高松行きマリンライナー47号乗車

定刻から少し遅れて岡山発。だんだん遅れるのが当たり前に思えてきた。本を読むか、飯を食うか、寝るか、仕事するかしかない座りっぱなしの漂流の身であるが、仕事は全くする気にならんので放置。眠気と薄い酔いで無理。

吉備とか、時々知った地名が聞こえる。きびだんごというのは、黍でなくて吉備だったのか。桃太郎の世界をキリキリとライナーで進む。家を出て12時間以上、電車に乗り始めてちょうど12時間くらいだけど全然飽きない。

ところで岡山駅で買ったマスカットピルス(宮下酒造)、本当にマスカット風味で開けてから驚く。しかも違和感ないぞ、美味い。

17:21 坂出着

人生初四国上陸、まずはうどん県。改札外のセブンイレブンにうどんぴっぴが売っている。が、気づくのが遅くチーズ味のカリカリコーンとエビス、角ハイボールを買ってホームへ戻る。やたらと浴衣姿の可愛い女子が多い。ググってみると、まるがめ婆娑羅まつり2018花火大会とのこと。なるほど。

17:32 坂出発 観音寺行きサンポート南風リレー号乗車

2両編成の愛らしい電車にライドン。地元走ってるのも2両か4両でなんか馴染む。

電車は混み気味、と思えたが、意外と椅子が空いてる。そうか、お祭りある丸亀は次の駅なのだ。缶ビール持って乗ってくる男子はじめ、祭りの期待感がいいですな。

その祭りのためか、丸亀通過時点で3分程度の遅れ。まぁ多分この先ではもう問題あるまい。サンシェードが軒並み降ろされていて車外が見えず寂しい。

とか言ってるうちに多度津到着。ここはICカードが使える最後の駅とかで、この先観音寺までアナログ切符での対応になる様子。佳き哉。

しかし、行き違いの列車7分遅れとかで、さらに遅延。観音寺では21分の接続でまだ余裕。車内空いたのでエビスを開けてさらに乗りクズが加速。

18:07 海岸寺発

さらにお隣の駅海岸寺でも、行き違いの電車待ちで止まる。トータルで9分遅れ。しかしもうこちらも気持ちがぞなもし〜してきており、なんでもいいような気分になっている。

ようやく発車して、一瞬瀬戸内海が。夕陽さす多島海、チルアウト感がヤバい(語彙)。イビザいらないから、ここでイベントやりたい。

ついでながらダラダラ読んでいる再読本から四葉のクローバーが。内容と全く似合わない止めて乙女のロマンチック感、ぞなもし。

18:31 本山発

本山では、遅れとります上り線との…。次は乗換駅の観音寺。単線だもんなー。仕方ない。空が美しく柔らかに焼けて夜が近づく。

18:34 観音寺着

6分遅れで観音寺着。浴衣を着たちびっこや女子が入れ違いに降りた電車に乗っていく。上りになるのだ。皆祭りか。

駅舎を出てトイレ、土産物屋を覗く。カマボコ類が美味そうだが、先送りに。

18:55 観音寺発 伊予西条行き乗車

遅れていた松山行きの特急しおかぜを待って5分遅れての出発。

ここから伊予西条まで75分、そして乗り換えてからが124分と、まだ山は続く。四国広い。そして列車がついに一両編成に。一両でも編成と言うのだろうか。

ところで伊予西条でトイレに行くことができるかどうか。その後2時間あるのだ。さて。

夕暮れ。単線ゆえにひと駅でのすれ違い待ち時間が長い。その代わり、この車両、ムッチャ飛ばす。横須賀線の体感比1.3倍。

20:17 伊予西条着

時計見ながらヤバいのではないかと思っていたがやはり遅れており、しかしこの地域で接続を見限って定刻で出ちゃうこともないだろうそうだろうと思っていたが、定刻5分遅れで列車がホームに入ると目の前に松山行きが。さすが。生活路線であるから人民を捨てたらもはや存続できまい。

20:18 伊予西条発 松山行き乗車

ようやくの本日最後の列車。ここから順調にいけば124分。接続ほぼ0分につき列車の写真はなし。またしても一両にて、伊予の夜を走る単線の旅。わずかでも時間あればトイレに行っておきたかったのだけど、その望みは潰えた。

まだ20時過ぎなのに、すでに松山行きとしては最終。窓外は漆黒にポツポツと灯りが見える程度。東京というか、東京圏即ち東京から西は箱根の山にぶつかるまで、緩く間引かれながらもダラダラと続くトウキョウに暮らしていると、それが日本だと思ってしまう傾向があるが、そんなものは日本の共同幻想みたいなもんで、実際はこの漆黒の方がむしろ日本の大部分なんだよなとかぼんやり考える。

そしてそれよりもカバンの中のハイボールの開け時が難しい。膀胱との相談次第だな。うむ。

20:51 壬生川駅発

遅れている特急の接続待ちとのことで、壬生川駅で10分以上停車することに。その間、駆け込みで乗車する人2名。よかったねぇ。これ逃してたらそのあとどうするのかしら。

と、調べてみたら、今治までは、1時間後、2時間後くらいにまだ便あり。松山までは特急のみだがなんとまだ後6本。最後のは24時過ぎとかで、なにこれ今治で降りて飲んでもなんとかなる←破滅思想。いやその前にそんな贅沢できるなら最初から青春18きっぷは使わないという話。併用も悪くないけれど。大人として。

22:30頃 松山着

最後の1時間が長かった、が、何はともあれ松山着。大きな駅だが、歴史的な温泉街とか、文学とか、いう割には駅前が不要にケバい。なんだこのラスベガス感は。

宿は駅前だと思い込んでいたが、伊予鉄松山市駅近くということで、ダラダラ歩く。暗い。暗いよ、何もないよ、鎌倉並みだよ、そうか、観光地だもんな。

宿にチェックインして、途中見かけたラーメン屋に戻るがすでに閉店、コンビニに寄って宿で食事。意図的にあまり制限しないいちにちだったが食べ過ぎた感。あと、水分大事。明日はもう少しちゃんとしよう(できるのか)。

ともかく、4時半からの移動は完了。夜中の移動は削られる。少し反省しつつ、帰路の検討をして就寝。