蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

7days100tanka 投稿歌まとめ

草太朗氏の提案にのって#tankajam のハッシュタグで遊んでいたらば、もりた氏が7日で100首を読む遊びをしようというので、早速のってみた。深夜までさっぱり時間を取れなかった2日間はタンマさせてもらって、使った日数は7日、経過日数では9日の記録を残す。

4月10日(水)、1日目、19首

短歌などというものは、小学校の頃にちょろっと習って作ってみた程度ではないだろうか。その割には「かばん」などを時々買っていたので何らかの脈はあったのかもしれない。

1 剥きたてのゆで卵のよな若者が残った殻で雨しのぐ朝

2 エルキュールポアロのような頭して雪のような雨受け止める四月

3 「糖質を抜くならおまえ日高屋へ行け」レバニラビールギョウザ定食

4 おもしろいことはいつでもすぐはじめ渦を作ってみな巻き込んで

5 空目してMap Cameraに飛んでみるブックイベントブラックペイント

6 ハーレムを持つのが僕の夢でした 本も本屋も抱えていたい

7 ハーレムにラムがおらんとあたる言い不完全でも現実がいい

8 上野毛があるなら当然あるはずのその駅は多分海の入り口

9 ひとりまたひとり部下みな退社してプルタブを引きたいオフィスに一人

10 ようやくに仕事にケリを付けたもんだでねプシュッといっていいかねプシュッと

11 何もかもどうでもよくなる飲み物を摂取していてみなどうでもいい

12 雪か雨春真っ逆さまに冬に落ち誰かと飲みたい誰もいない夜

13 ◯ レフ板の代わりに文庫かっぴろげ餃子待つ間のビールとハヤカワ

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14 ハレの日を祝うめでたい食べ物を供物に回す昨日今日明日

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15 トウキョウに響く多彩な朝の声性差性癖みんな混ぜたい

16 バイト君⇨バイトちゃんからバイトちゃん詰まったお札を巡る多国語

17 サイコミュを集めて早し天の河 追いつけるもの追いつけぬもの

18 こりゃいかんこれより先は都々逸になりかねぬからいってみようか

19 ◯ お父さん娘に憑いたご病気は不治の病だスキトキメキトキス

4月11日(木)、2日目、2首

仕事が立て込んでいる上に体調がひどく良くなく、さっぱり進まない二日目。

20 東京に空はないと誰か言う轢死二件の青空の朝

21 ◯ 久々に21時過ぎに帰宅する見知らぬ町か風轟々と吹く

4月12日(金)、3日目、8首

酒が加速して死ぬ金曜日。悪魔を憐れむ歌が響く。

22 紺色のリュックサックを背負ったらおじさんみたいいやおじさんだったね

23 tankajamってどうしてもtanakajamに見えるんです誰だ田中って

24 メロスはげトンネルを抜け山道を月日ははくた僕は三十七

25 要件は要件が4要件と違うお話し6が含まれ

26 目覚ましを叩いてぼんやり計算す真の締め切りまだあと5分

27 明日こそは寝過ごさぬよう目覚ましを1時間早く仕掛け寝過ごす

28 ◯ Woo, woo! と悪魔を憐れむ歌響く週末の脳はオーバーアクセル

4月13日(土)、4日目

二日酔い、というかなんとか言っていいかわからないが、前夜は帰宅できなくなって未明4件目にすずらん通りのミライザカに流れ込みトイレでオートマチックの後ダウン。早朝の日高屋に死屍累々を見ながらゾンビになって帰宅、そのまま夕方まで死亡。

29 オートダブル直角の朝ポカリ1リットル

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30 振り返る必要すらなく今はただ糖すら欲しいイッツオートマチック

31 水平と垂直直角冴え冴えと開ける神田に満ちる日高屋

32 泥酔の朝休日のオフィス街誤字脱字数字空に消えたね

4月14日(日)、5日目

休日出社の日曜日である。土曜は二日酔い?で一日を棒に振ったので、朝から回想モードに入って反省歌をツイートしている。二日酔いで頭痛になることがほとんどなく、代わりに猛烈に胃に来るタイプ。

33 千人の天使が頭蓋で踊ってる代わりに悪魔に胃を握られる

34 なにもかも空っぽにして死に続け夜生き返る飯の旨さよ

35 インフレを成長などと吹聴し元に戻れば斜陽とか言う

36 出版は不況産業ノーフューチャー爺のたわごと神田川に流す

37 ◯ 休日のオフィスは快適すぎるから強い意志持ち振り切り帰る

38 薄闇に残る桜花が浮き上がる肌寒い春が俺を置き去る

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4月15日(月)、6日目

最終日に大爆発のぞみぞの兆しがあった39首目、感情。46首目はジョン・ケージへのオマージュである。53首目がこの一連の遊びの中で一番好きなやつ。こういうのを連発できたらいいなぁ。

39 ◯ 大好きな手がわたしからこぼす春うれしい気持ちさみしい気持ち

40 今週も酒で始まり終電を追って走らす個人タクシー

41 10代のエロ話から始まって見送り悼み泪小話

42 ハローグッバイそれぞれのそれぞれを認められる歳になり

43 賑々と「坊やだから」を愛しむキャスバルもラルも歳下の故に

44 おっさんのおっさん故の端々に皮を被った少年のあれこれ

45 いま一日今日も明日もなき故に生きても今死んだとしても今

46 ◯                               #三十一文字

47 ねえ見てほら綺麗な月だねサンクラを漁りつづける踊れ同胞

48 アニクラは奇形児なれど欲望の最前線常に自由に

49 どうしようもなく行き詰まる夜その先を踊るか否や踊れ同胞

50 理解という誤解をはぎとろうとその先にまだ表現はあるのかとぼんやりとまだシャッターは切り続けている

51 長々とボックスシートにあふれてるおっさん脱がしたら裸のマハ多分

52 短歌って計れないのか複数形もtankaであれば1も100も等価

53 ◎ 缶詰に宇宙をだいたい詰め込んで残った隙間の寂しさが価値

54 限りなくニッチに消費されていく知られることなきmix楽しさ

55 ◯ ただいまの悦びのためそれだけのそれだけに生まれる光を踊る

56 アニソンは奇形です正統じゃないんです商業の果て突き抜けて自由

57 情深く人を思いやる心根のやさしい人はいつまでもひとり

58 ヨレヨレのおじじの耳に金剛の輝くピアスナメるな現実

59 人は皆管であると言うけれど内臓に続く穴恐ろしや

60 くだんねぇとか息巻いてすごむけど常備薬はストッパなんだね

4月16日(火)、17日(水)

早朝から深夜まで仕事で最後は役員と酒を飲んで倒れる(2回休む)。

4月18日(木)、7日目

最終日、40首は無理だろうと思っていたのだが、帰路の電車でB.Toriyama氏がリズと青い鳥同時上映会開催の旨ツイートしており、突然に頭の中にのぞみぞが降臨、感情が爆発して止まらなくなっている。酔っぱらいの放言のまま100首を突破している。酷い。

63首、ananだけが仲間はずれ。65首、母は強いが無謀。75首、B.Toriyama氏のロングミックスを聴いていたらさくらゆらのCity Lights Reflectionが。79首、オリジナル限定のヴァイナルレコード、応募したのにまだ届かない、どういうことか。

61 ◯ 赤赤とノートルダム燃ゆ石翼のガーゴイルどもパリの空舞う

62 パリの火事思い出すのは金閣寺現実でなければ楽しめた耽美

63 ◯ ルサンチマンアンガージュマンウルトラマン八百万あんまん「anan」不満

64 わたくしを捨ててゆだねるシミュレーションボタンを押さずにエレベータに乗る

65 幼児を前後シートに満載し母ひた走る幹線を逆に

66 四十八若いまだまだ頑張ると選挙演説慣れた滑舌

67 終電の窓ガラスの残影の顔頸すじその違和感の

68 のを重ね重ね重ねてのが響くのの字楽しく野にも山にも

69 のぞみぞと僕らは安易に感情を託すがみぞれの外はあるのか

70 閉じきった鎧の世界に雨は降り傘さして入り込む無意識ののぞみ

71 水槽に閉じ込めている救いより移ろい漂う光尊く

72 百合という言葉に託し盲目に感情走る外にのぞみぞ

73 真夜中を走る走るポポのぞみぞに怪気炎あげ滾る感情

74 感情、感情感情感情、感情感情感情環状

75 感情の感情にまた感情のここで流れるさくらゆら尊し

76 靴音の硬音響く学び舎のシンクロアシンクロ聴きたくて感情

77 ◯ 大好きのハグが届かぬその距離が大好きのはずフラットに外す

78 ◯ コンビニの味付きたまごおいしいと差し出す未熟行方なき春

79 運営にちょっと聴きたいことがあるまだ着かないのですがバイナル今どこ?

80 燃え盛る尖塔を見て涙してファインダー据え現す業こそ

81 大好きのハグ大好きのハグ大好きとハグ耐えてまたハグのぞむみぞれ

82 終電の車窓流れる夜境今日と明日の明日と今日の

83 やさしさ?校舎の廊下にすれ違う摩擦に響く青春の音

84 青い鳥飛ぶか放つか我彼のさかいよ溶けてフルートの高く

85 ◯ ユニゾンの飽和してまだその先の離れ追う昇る重なる二人の

86 コンビニのましろにペット追うホルン重なり進み打ち砕く青

87 あの頃の時間て何だったったけかな数えられないひたすらに泳ぐ

88 早朝に夕闇に夜にこの音のただ届けとまた迎える朝の

89 ねえ、もしかしてこの歌を終えたら戻れなくなる?あなたの部屋

90 ねえひょっとしてこの歌が運び去るのはあなた残るのはわたし?

91 青い鳥はあなたそしてわたし絡み合い離れ離れては出会う

92 感情を集めてしずか宇治の川思いの丈の明日の明日に

93 フロアーに重なる音、重なるリズム光に闇に杯の間に間に

94 ◯ この音が鳴り続けてる差し伸べる手を掴んだら君が奏でて

95 真夜中に闇と光と音ときみ酒光るフロア踏みしだくステップ

96 盲目と乱れるステップ合わぬリズム朝の校舎の壁白く光る

97 滝とかいう男にみんな騙されて千々に乱れて千々をまとめて

98 広々と閉じ込められて白い壁アインザッツ穿つ響く束ねる

99 のぞのぞをみぞみぞとしてのぞみぞを離れて遠き賀茂川の春

100 奈良京都川辺に光柔らかに春

101 ◯ 艶やかにあなたの口が艶で言うやっぱり久美子は性格悪い

102 真夜中の丑三つ時に帰宅して五十男が百合の香を嗅ぐ

103 この空の孤独を歌う教科書を捨てて遊べひとり川面に

104 二次元が描ける奇跡があるのです三次元から肉を捨て去り

105 満月の夜の海にこそKは逝く救われるものただ残る我ら

106 ゆで卵差し出す小さな手が紡ぐ奏で響かす無限の音楽

2019年正月

Cherry blossom, Daito no miya shrine, Kamakura

Shinto's New Year decoration, Kamakura

Yakitori food stall, Hachimangu shrine, Kamakura

Choco-banana food cart, Hachimangu shrine, Kamakura

Takoyaki food cart, Hachimangu shrine, Kamakura

久々に家族がみな揃った年始、起きて洗濯して食事して、散歩して八幡宮の屋台で買食いするというのんびりしたスタイルで過ごした。都合何度、たこ焼きを買ったことか。今年は流鏑馬馬場の大たこ焼き(うずら入りとイイダコ入りのやつでない、オーソドックスなやつ)がアタリだった。

カメラをぶら下げて、夕食の買い物の後に境内を流してたこ焼きなどを食べて、また散歩して帰宅して、夕食を作って食べる。食べて歩いて飲んで歩いて食べて寝て、と繰り返して、腹囲も着実に育ったような気がする。

年末はバタバタと忙しく、恒例のコミケで終わったわけだけれど、その分はのんびりした。予定していた本もほとんど読まず、夜は映画と見逃していたアニメを消化していた。

こんな正月もいいよね。

Bamboo leaf, Kamakura

Zukiyamasha shrine, Kamakura

Onari shotengai shopping street, Kamakura

Backstreet of Onari shotengai shopping street, Kamakura

Ofuna station, Kamakura

leaf, Kamakura

Ringo ame candy food stall, Hachimangu, Kamakura

5日、同僚から連絡があって、身体を壊したようだという。そこからは、いっぺんに仕事モードに切り替わった。忙しい一年が始まる。

写真の解像についてのメモ

カメラが良くなってレンズもそれに追随して世間ではとにかく解像を求めるような勢いがあるし、画作りもまたそのような明瞭で過剰なものが流行っているように思うのだが、僕が見てきた中でも好きな写真たちはそもそもそんなに解像してなかったし、ピントもまあまあでブレボケもそれなりであったし、このところ急速に解像から心離れつつあるのだがまた、写真ということには見ることへの欲望があり、だとすればまた解像を追い求めるのは当然のことで、ここまで見える、もっと見たいというのもまた自然なことのように思う。

アナログの模倣はもういいかな

Ikebukuro, Tokyo

写真環境をデジタル化して久しい。カラーからモノクロ写真を作る(現像する)際、つい粒子を入れてしまう癖があって、それはもちろんモノクロ写真をアナログの表現で見続けてきたためであるのだけれど、最近の写真雑誌の特集ページ等で、特にオリンパスペンFのフィルターに顕著なのだけど、銀塩のシュミレーションが大分発達して、かなり銀塩っぽい写真が本体のみで撮れるようになった、そういう写真をそれなりの頻度で見かけるようになった。

そしてそれが巧妙になったことと、今のモノクロ写真のトレンドが、これは雑誌がメーカーの機械を売るための装置になっているような事情があるのかもしれないけれど、Flickrなど見ていても同じ傾向なのだからやっぱりトレンドなのかな、結構HDR風というか、妙に広いダイナミックレンジをもちつつ画面を荒らしてくるような感じの、コントラスが強く、粒状性も高い画像が多いような気がしていて、なにか落ち着かない。

デジタルの方がすでに、銀塩を上回る解像度や階調での記録ができるようになっているわけで、それでもモノクロ写真というときに、銀塩に戻ろうとしていく、そういうトレンドが、なにか腑に落ちないというか、ちょっとコスプレというか、偽物というか(コスプレと偽物は相当違う概念だし、混ぜる気も、同列にする気もない)、もうそういうのはいいんじゃない、と思い始めている。

昨今の静かな銀塩ブームもあるけれども、銀塩が良ければ、銀塩で撮って現像して焼き付けたほうが、それはもうすっかり銀塩であるわけだし、デジタルで模倣する銀塩よりもずっと銀塩なわけであるわけで、わざわざデジタルを銀塩に近づけなくてもいいじゃん、という感覚だ。

グダグダちょっと酔ったままに書いているが、単純に、もう粒子を入れるのはやめようかなと思っている、そういう話です。これは自分の感覚のことであって、僕以外のうん千万うん億人の写真ファンは、好きになさるのがよろしいと思う。表現はみなそれぞれで、人の好みに合わせる必要なんて無い。好きにやろうぜ。

それでもって、FUJIFILMのXシリーズを使っているわけで、おまえそれフィルムのコスプレじゃんと言われると弱いのだけれども、PRO Neg. Stdと古いレンズの相性がなかなか良くて、これで彩度の低い画面を作るとモノクロームの一つの方向性みたいなものを感じたりして、無理に白黒モード使わないのも面白いとも思う。いや、無理しているわけじゃなかったんだけど。

Tokyo station