蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

携帯と財布

昨日の日記へのけろ氏のコメント

ほんとにすごいよな、携帯。でもどうしても住基ネットと同じで財布代わりとかまでなる、となると強い抵抗感を感じてしまうのはなんでだろうなあ。

ネットワークに対する強い警戒心があることは、例えばマスコミに対する強い警戒心を抱くように、有効なことだと思います。便利さとともに不利益も同じくらいの大きさで発生しますね。財布にするかどうかは別として、携帯の様ないつなくしてもおかしくないサイズのデバイスに、持ち主とその知人の個人情報を満載して持ち歩いている現状も、考えようによってはものすごく危険です。
昨日、ソネットから個人情報流出のお詫びが届きましたが、知人に携帯電話をなくされるのって、これに近いものがあります。自宅の固定電話の番号は電話帳に公開している人が多いですが、携帯電話の番号って、知り合いにしか公開しません。これをなくされることは、詫びてすまされる問題ではないかもしれない。
同時に、携帯電話に登録する程度の情報は、公開されてもかまわない情報である、と考えることもできるかもしれない。携帯電話の番号は、比較的簡単に変えられますし。メールのアドレスもそうです。
情報って、閉ざせば閉ざすほど、閉ざすことで生まれる重みが発生します。インターネットはそもそも開いていく仕組みだったはずなのに、近年はどんどん閉じていく方向へ向かってきている。個人情報だって、閉ざせば閉ざすほど、そこに重みが生まれます。
本当に閉ざしておきたいことは、閉ざしていることすら、公開してはいけない。その存在すら公開してはいけない。そのくらいの覚悟がいるのかもしれません。閉ざされた情報の存在が知られている時点で、その情報は開かれる恐れがあると考えなくてはいけないのかもしれません。
職場の上司が、クレジットカードのナンバーその他をどうやってか盗まれ、あっという間に150万円の被害が出たそうです。もちろんすぐにカードは封鎖、実際の被害はかぶらずに済んでいるようですが、こんなものですら盗まれる。携帯電話に電子貨幣をプールする機能をつけることで、おそらく、これと似た被害が出てくるでしょう。指紋を認証用に使用する携帯電話が既に存在していますが、そこまで神経質に、使用の度にロックをかける使用者はどれだけいるか。私の携帯電話にもパスワードで使用を封じる機能はついていますが、一度も使ったことはありません。携帯電話を盗むことって結構簡単そうですから、悪用も十分に考えられる。便利な機能はその悪用を試みるものも生み出すかもしれない。
しかし、現に私は定期券はSUICAを使用しています。SUICAも最近拡張されつつあり、切符だけでなく買い物にも使用できるようになってきました。現状ではまだまだ利用できるところが少ないですが、利用可能な場所が増えた場合、私も使うようになるかもしれません。
金銭は、どんどん目に見えない形になっています。銀行や郵便局にお金を預けていますが、実際にそれがプールされているところを、私は目で見たことがありません。既に、私のお金は、その出所からして、ヴァーチャルな数字になっています。その数字で命を繋いでいるわけですから、脆弱と行ったら、これほど脆弱なこともないかもしれない。
この、目に見えないものとの関係は、おそらく、これからもどんどん大きくなってくることでしょう。問題は、その目に見えないものを管理している機構を、どこまで信用し、どこまで疑うか、というところだと思います。
懐疑の姿勢を保ちつつ、利用する、そういうことになるのでしょうね。もっとも、私は持ち歩けるほどたいしたお金を持っているわけでもありません。仮に私の携帯電話に電子貨幣をプールできる機能がついても、まさにSUICAのポスタの様に、そこに預けられるのは小銭になるでしょう。だとしたら、ねぇ。そんなに抵抗を感じないかもしれないかな、というのがとりあえずの結論です。まとまりが無いですね。またなにか考えたら書きましょう。