蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

永久帰還装置(神林長平/朝日ソノラマ)

★★★半
火星ものです。ターミネータと言うか、マトリクスと言うか、そういう感じの話です。え?ぜんぜんちがう? 火星ものといえば、『帝王の殻』あたりの世界設定の続き物が昨年かな、出版されているのに、まだ入手してません。寂しい。はやく文庫にならないか。
本編は言葉による世界の創出及び再構成、という神林長平お得意の舞台設定。
無>存在>無
という生の流れが、無に帰還できないことで断絶されるという危機感は『ラーゼフォン』にも共通するところ。無を肯定的に評価し続けるという点では、仏教的なのかな? 『ラーゼフォン』では「充実した無」という表現をしていましたが、有を孕む無、という考え方は宇宙論的で面白いです。


永久帰還装置
神林 長平

発売日 2001/11
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