蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

それでも空は美しい

退社したら、西の空がそれはもう透明に美しく暮れていた。死んじまったら美しい空も見ることができない。それほどの何かだったのだろうけれど。
会社の横のビルから女性が飛び降りたらしい。落ちたのかもしれない。事情は知らない。死体も見なかった。あまりに近い死に驚く。冗談を言いたくなるのは死から遠ざかりたいからだ。不謹慎だが。ちなみにキリスト教では自殺は天国に行けないことになっている。ずいぶんとけちくさい。それは人間の理論だ。自殺した奴を救わない神があるわけないと、いまだに信じている。そういう意味では異端。なんとなく玄関に塩をまきたい自分もいる。それは明らかに異端だろう。しかし、日本の文化の清めの感覚が自分にもあるのだ。
なんだか分からんが、神の御元で休んでいることを祈る。安らかにあれ。