蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

幼年期の終り(アーサー・C・クラーク、福島正実訳/早川文庫)

★★半
いまさら読む古典中の古典。やっぱり時代を感じるなぁ。バイアスかかりまくっている様子が今は痛い。当時はタイムリーというか、かなりセンセーショナルな内容だったと思うのだが。しかし、やはり白人って弱いよなぁ。大古典なのでネタばらしまくりますが、新世代が出た後の人類しょぼすぎ。白人の世界観だなぁと思いましたよ。東洋人はきっと関係なく生きつづけようとするでしょう。人類滅亡寸前あたりからラストまではさすがに展開が早く、ぐいぐいと迫って作家の力を感じますが、やっぱり人類あっけなく最期を選びすぎだよ。もっと人間ってしぶとい、いや、往生際悪いと思うのですが。
作品としてはグレッグ・ベアの「ブラッド・ミュージック」が本書と比較されるのを目にしますが、僕は「ブラッド・ミュージック」の方が好き。クラークは観念的だなぁと思うわけです。大作家には申し訳ないが、二つ星半です。

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))