蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

ペリカン文書(下)(ジョン・グリシャム著、白石朗訳/新潮文庫)

★★★
上巻の後半から物語が加速して、下巻へ。逃亡しつつ真相を探る、とういうサスペンスものお約束なパターンで物語りは進む。FBIとCIAの距離感とか、さらにはホワイトハウスへの彼らの距離感が面白い。影で大統領を操縦するコールの存在もまたよし。主人公と彼女を助ける新聞記者の間に恋が芽生えるってのもまたお約束だが、彼女の恋人がそのちょっと前に殺されたばかりであることを考えると、新しい恋の行方も怪しい。ってそんなことはどうでもいいか。トップレベルの殺し屋カナリスが結構あっさりと殺されてしまうあたりは逆にリアルな感じを持った。弁護士だらけのアメリカだが、ほんとに「だらけ」であることを実感させてくれたし、さらにどうして「だらけ」なのかも、主に経済的理由から示されていて、この辺も良かった。読み返すほどの面白さは無いが、でも、消してつまらなくも無い。というわけで平均点三ツ星。

ペリカン文書〈下〉 (新潮文庫)

ペリカン文書〈下〉 (新潮文庫)