蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

漢方医

かみさんをつれてかつて父が死にかけたときに診ていただいた漢方医の所へ。今はもう開業はしていない方なのだが、薬の研究は続けておられ、また、紹介でのみ診察と薬の調合もして下さっている。日曜日だというのに診察の予定はぎっしりで、約束の時間から30分ほど待ってようやく診て頂けた。ざっとかみさんの病名は伝えてあったのだが、先生の紹介などのあとにずばっと現在の症状を言い当てられた。望診というのだそうだが、毛細血管の血の流れを、顔や目、手の平、爪などで診ていたということ、だいたい600種類の症状を見分けられるとおっしゃられる。おそるべし中国4000年の歴史。過去約10万人を診断、治療してきて、今のところ治癒率97%という超高確率、しかもほとんどが難病の方ばかりだったらしい。とにかく、かみさんの病気も、今出ている症状はあくまでも結果で、原因は体のバランスが壊れている、特に女性は男性よりも体の構成要素が多く、これをそのままにしているといかん、ということで、まずはそのバランスを是正することで、正しい免疫力を発揮させて、病気も治癒させるということらしい。癌の治療とか、細胞レベルの話しでいちいち面白いのだが、詳しいところは再現できないので省く。
とにかく、薬を処方してもらい、これを1年ほど続けていきましょう、ということになった。この薬が待たすごくで、材料は半分がストック、残り半分は中国に発注するのである。材料は栽培ものはだめで、天然物でないといけない、という。これは実際に解析をしていて、細部で成分が異なるのだそうで、その細部が大切らしい。材料も、恐竜の化石とか石脂とか赤マムシとかいちいち面白い。中国でも、その植物が生えているのは国の自然公園のようなところで、国の許可を持つ専門の採集士がいるのだそうで、その人に発注すると言う。これらを煎じて圧縮機にかけて薬として凝固させるらしい。それをまた煎じて飲むわけですね。これが実にまずいとか。父がかつて毎日煎じていたが、たしかにすごい匂いだった。良薬口に苦し、たしかに効くわけで、諺に偽りはないのであった。もっとも、全てそんな調子だから、一ヶ月の薬代もすごい。まぁ、うまくいけば手術も回避できるかもしれないし、するとしても、全体の調子を整えているので効果も違うという。とにかく、長いスパンで治療開始である。いやしかし、大したものだ。4000年にわたる人体実験の成果、といったら失礼か。しかし、積み重ねがすごいのだなぁ。