蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

フェアリィ・ランド(ポール・J・マコーリイ著、嶋田洋一訳/ハヤカワ文庫)

★★★
「華麗なるテクノゴシックSF」ということですけどね。ポップなカバーと表4の文句に惹かれて買ったんだけど、想像とはちょいと異なるその内容、もっと軽いのかと思ってたら、まったりとした内容でした。だいたい主人公はデブの中年男だよ? 20年前だったらこれ、たぶん「幼年期のおわり」あたりを引合に出されたんだろうけど、今だったら「ブラッドミュージック」かな。舞台設定はむしろギブソンのスプロールを思い出させるものが。それっぽいパンクスのお姉ちゃん、というか、おばさん? も出てくるし。物語はある種の世界改編もの、新しい存在の話だが、こちらが頭悪いのか、いまひとつ全体がとらえづらかった。通勤途中分断して読んだのが悪かったか? ただ、内容は面白かったので数年後に再読すると、また印象が違うんだろうな。