★★★
誰も人が死なない推理小説。季節限定シリーズの時も2巻以降で顕著になったが、このシリーズでも2巻目になってひやりとするような人物描写が出てくる。踏み込めない他人、価値を共にしない他人...推理小説の面白さはその辺かもしれない。どことなく怖い。それは事件の構造よりも、事件を起こす登場人物達の遠さ、理解できないということが分かる時の冷たさ。他者があるときいきなり立ち現れる、その衝撃かもしれない。
その構造的なことを言うと、本作も推理小説、ミステリファンにはおいしい仕掛けが沢山。ということらしいが、僕はそれほどその辺を気にせずに読んでいるので、ミステリファンには申し訳ない。楽しめました。先日まで品切れ重版未定な状態だったらしいですが、ここへきてちゃんと刷られていて嬉しいです。
- 作者: 米澤穂信,高野音彦,清水厚
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2002/07/31
- メディア: 文庫
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