蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

不完全燃焼

某印刷業者の集まりにて夕方から出かける。総会、懇親会、二次会まで。酒量は少ない。総会だけあって普段会えない人との交流がメインといったところか。周りはばりばりの若手経営者であり、そういうところに混じって話をしていると、何とも不思議な感じだ。
会では枚葉、輪転を問わず一般印刷や加工を主とした業種の方達が趨勢で、僕のところのように組版に重きを置いた業態が、印刷業の中で如何に少数のものであるのか、いやむしろ、普段自分が如何に組版を中心にして仕事を見ているのか、意識しているのかということを考えさせられる。印刷業というのは、ふつうは最終工程の印刷が、甚だ当たり前のことであるが、中心であり、そこに付随する形でプリプレスの部門があるのだ。なにか、普段、そういう風に考えて仕事をしていないことを、つくづく思い知らされる感じで、興味深い。他人の目を通して、自分を見てみることは、やっぱり大切だなと思う。自分は、どうしても組版が仕事の中心として意識しているんだなぁ。
さて、なにが不完全燃焼かというと、自分でも良く分からないのだが、なにか、こう、物足りない、というか燃焼しきれていない感じで、それは、酒量の問題ではなく、たぶん仕事がらみのことである。鎌倉の駅をおりてから家に帰り着くまで、歩きながらぼんやりといろいろなことを思うわけだが、今の仕事のこととか、考えていた。誰かに使われる気安さと、誰にも使われない気安さが多分あって、前者の方が圧倒的に楽だと思いながら、ときどき、自分を自分の雇用主にしたいと思うことはある。今の社を見ていて、また、仕事の傾向を見ていて、高難易度の組版については、良くできるオペレータ数名がいれば、組版会社として独立して食っていけるのでは、と考えていた。どうせ、高難易度組版は、仕事の割合からすれば少なく、かつ、コスト的にも大きなものである。これらを会社の中に囲っておくよりも、いっそ切り離して別会社にして外注した方が、コスト的には安いのではないか。部門も、組版だけに絞れば、むしろ利益の分配は楽なような気がする。組版だけに仕事を絞るならば、投資も少なくて済むし... なんてことを、ふらふらと思いながら歩いた。
ある程度、自分に元気、というか体力があるときは、会社帰りの家までの道のりの、徒歩の部分というのは有効で、いろいろなことを考えたり、思い浮かべたり(というよりは、思われ浮かばれたり、向こうから勝手にやってくる)する。今日もそんな帰り道だった。で、ぜんぜんまとまらないのだが、何か今日も、I cannot get saticefactionなのだった。