蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

東京奥多摩のヒカリ(磯本つよし/少年画報社)

★★★
奥多摩を舞台としたバイクマンガ。某『逮○○ちゃうぞ』を髣髴とさせるバイクのりの女性駐在さんが主人公だ。駐在さんがドリーム50とかドゥカで激走するバイクを追跡しちゃったりする、相当にありえない設定。ただし、作者のバイクへの情熱というか愛がびしびしと伝わってきて、設定なんてどうでもよく読める。第一、設定にこだわるような内容じゃないだろう、という突込みをとりあえず自分に入れておく。そう、このマンガ、テーマはバイクへの愛だ。主人公はめがねっ娘で三つ編みだし(かみさんに、好きなのは主人公のこの娘? といわれたが、それは鋭いぞ)、相棒のさんちゃんはダッツンSR311に乗ってたり(某婦警さん漫画でも国産オープンに乗ってましたね。あれはヨタハチでした)、まぁ、そういうのはおいておいても、出てくる出てくる楽しいバイクたち。ビックスクータ全盛の今、楽しいくらいにスポーティなバイクばっかり。バイク漫画だから当然かもしれないけど、バイクを描いているときが一番いいのね。画がね。生き生きしてる。画の傾向としてはバリ伝よりは藤田系で、躍動感よりはイラストレーテッドっていうか、描き込み系だ。いいねぇ。売れないだろうなぁ(笑)。こういうのに出会うと嬉しいね。あとがきで、作者としてはSF漫画、と書かれていたけれど、確かにそう。町内には旧車が溢れていて、それでいて辺に電子化されていたり、なかなかに引っ越してみたい魅力的な町になっておりました。なによりバイク★ー。なんでもやるっていわれたら、ドゥカの900SSとかね、あの辺がいいなぁ。しかし少年画報社はレベル高いよ。全体に大きなヒットは生まないけど、名作を生み出す出版社だね。素敵だね。

東京奥多摩のヒカリ (ヤングコミックコミックス)

東京奥多摩のヒカリ (ヤングコミックコミックス)