蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

文章がおかしい

中央日報の下の記事、明らかに文章がおかしい。僕には、彼=村上春樹が、8日に裁判をしばしば傍聴した、という風にしか読めない。もちろん、『アンダーグラウンド』執筆のために村上春樹が裁判を傍聴していたのは、もっとずっと過去のことだ。日本語は主語を文脈から読ませる言語ではあるが、それにしてもこれはひどい。

彼は8日、共同通信とのインタビューで1995年の東京の地下鉄サリン事件を素材にしたノンフィクション『アンダーグラウンド』の執筆のために容疑者たちに対する裁判をしばしば傍聴した。ここで彼は戦争の捕虜たちを殺害しろという(非人道的な)命令を拒否することができなかった日本人の特性と結びつけ、こう考えてみるきっかけになったと明らかにした。

なんだか、わかるようなわからないような、中途半端な文章だ。少し整理してみた。

今月8日、村上春樹氏は共同通信社によるインタビューに応じた。氏はノンフィクション作品『アンダーグラウンド』を執筆するにあたり、東京地下鉄サリン事件(1995年)の裁判をしばしば傍聴している。この経験と、大戦中に捕虜の殺害という非人道的な命令を拒否することができなかった日本人について結び付けてみたことが、「日本人は第2次世界大戦を反省していない」と考えるきっかけになったという。

だいぶはっきり分かるようになったのではないだろうか? 報道は真実を伝えることが使命、というようなことをよく聞くが、とりあえず誤解を与えないような文章を組み立ててほしいと思った次第。アジア発のインターネット新聞ということだが、まず事柄をストレートに伝えられる文章力を磨くべきではないだろうか。