蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

ラーゼフォン多元変奏曲(劇場版)

SF者万歳! 確かにエヴァの陰は色濃く、うわぁ綾波&カヲル君! とか思いつつも、えーじゃないか。えーじゃないか。時間ものSFとしては面白いぞ。TV版が冗長な分圧縮されていて良い。綾人のもてっぷりも鼻につかないし。「サヨナラ」の場面は秀逸。町にメッセージロードしまくるってのは美しいです。ああ、おれ、SF者でよかったと、たとえ端くれでも思うわけですよ。その筋の強者にいわせたらヘタレって罵倒されるかもしれない。でもいいじゃん。脳内麻薬出てる感じ。ああ、SFサイコー!
ちなみにTVシリーズは途中までしか見てないし、初めて劇場版で全体を通して知ったわけですが、ここでも自分のお姉さん趣味を思い知らされる。なんていうかもう第三障壁まで侵入されてぼろぼろ、全て露出みたいな! 遥さん歳くってる方がいいじゃん! かつての恋人がおねぇさんになって登場ってアナタ! エクスクラメーションマーク大奮発! いやまぁ。ハァハァ。呑んでいるので普段の3倍興奮してます。素敵だなぁ。端から見ればこれは間違いなく病気か。そうか。
すこし頭を冷やしたふりして、ちなみにラーゼフォンはノベルの方が先でした。なんといっても神林長平ですよ。僥倖、というか、正月と盆がいっぺんにきたみたいな、ハロウィンとクリスマスとイースタがセットになってるような、ちなみに綾波とアスカとミサトさん合神すると血を見るぞみたいな、それはまぁ関係ないんだけど、でも、シンヂ君が首締めてたのってそれだよね。ああ、関係ないって、だから。で、神林長平の書き下ろしってんでそれはもう興奮したわけですよ。読んでみても、どんどん現実の基軸があやふやになっていくいつもの神林ワールドで、『猶予の月』あたりを彷彿とさせて、いいわけですよー。もうぐちゃぐちゃみたいな。何が現実か定かでない、自分がものを判断する基軸が失われるというあたりは神林節の真骨頂。それでも、自分を自分にするというところがいいわけね。自分をなんとか見いださないと、世界に喰い尽くされて、世界に同化しちゃうわけですね。それを望んでる奴も多いかも知らんが、それは婉曲な死でしかないのです。なーんて。劇場版ラーゼフォンでもことあるごとに「綾人君は綾人君なんだから」ってなことを連発してたけど、このへん、出渕と神林のシンクロの仕方が濃いというか、神林側からの(事前のフィードバックというか、)影響というか、強く感じるわけですよ。ノベルを先に読んじゃうと。関係全くないのかもしれないけど。しかもノベルス版では神林、年長者の余裕で出渕よいしょしてる。えらいなぁ。大人だなぁ。羽を天にのばしてズビューっと拡げるのはエヴァっぽからやめなさいとか、言わないわけですよ。えらいなぁ。なんか、ほめてるのか、けなしてるのか分からないな。つーか、あの図はむしろデビルマンか! 共感し合う二項対立。すげぇ。さすがデビルマンだな。こんなところにまで響いてるぜ。ララ〜♪。でもね、楽しんだんですよ。2時間きっかり。遥さん頬を赤らめると照れたりしてたわけですよ。小松左京! (首都消滅&さよならジュピター)とか喜んでたわけですよ。引用だらけだけど、そういうまかない飯みたいな世界かもしれないけど、でもそれが今のアニメ業界だしって、ああ、また批判っちぃけど。楽しかったからいいの。いいの!
コーフンして嬉しかったから、早速書庫から『猶予の月』とノベル版『ラーゼフォン』取り出してきちゃった。読み返すぞう!


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