葉山の美術館（神奈川県立近代美術館 葉山）へジャコメッティ展を見に行く。久々のジャコメッティ､しかもまとめてということで、楽しみに出かける。台風3号の影響か、海が荒れ気味､海沿いの道には潮の香りが一杯。長期にわたりジャコメッティのモデルを勤めたという矢内原先生をからめての展示だが､彫刻だけでなく絵画もかなりの量があり､ジャコメッティのイメージが少し変わる。彫刻にはよく分からない強烈な存在感があって､人の気配がびんびんで畏敬の念､というか、そういうものを抱いていたのだが､絵画は薄暗くて憂鬱なイメージの方がむしろ先に立つ。これはちょっと重いな。彼にとって彫刻がどれほど表現の手段として合っていたのか､あるいは、相性はともかくとして秀でていたのかが良く分かった。今回の展示､点数は多いけど､大型の作品は少ない。子供に彼の大きな彫刻を見せたかったのだが､残念。
しかし葉山の美術館はいい。建物のすがすがしさは展示を引き立てるし､建物の周囲の自然もまた作品に見える。何度いっても飽きないいい美術館だ。
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