蝸牛日記(Pseudomenos版)

嘘ばかりの日記です

我が道を行けない日本

内田樹氏のBlogで面白い記事を見つけた。オバマ大統領就任演説から、日米の文化論に話が発展して行く。外に比較の対象を置かずに自らを論ずることが出来るアメリカと、外との比較でしか自らを論ずることの出来ない日本、という対比が面白い。何かを論ずる事自体が、ものを分析する事から始まるのだとすれば、分化と比較は仕方ないと思うのだが、アメリカはそれをしないという点で、まぁ、立派なのか、独善的なのか、自信満々なのか、子どもなのか...って悪口めいてきたが、それでも、自分を立ててそこに仮託して行こうという意識は(無意識でも)評価すべき事なのだろうな。価値基準が外にあると、楽だけど、しっかりは出来ないわな。日本、ゆるふわの国だ。

ご覧の通りである。
こうやって現に私自身が日本の特殊性を論じるときすでに「アメリカではこうである。それに引き換えわが国は・・・」というワーディングを使ってしまっているではないか。
私たちはこのワーディング以外では日本について語ることができないのである。
少なくとも日本人読者を「頷かせる」ためには、この語法を採用する以外に手だてがないのである。